マルプー優太と時々クラシック

還暦過ぎてはじめて犬(♂マルプー2015年元日生まれ)と暮らしはじめました。大好きなクラシックの与太話も

優太が占拠。クラ与太 ヘンデル オラトリオ「サウル」

 

バーバが早番なので早起き

お散歩から帰っても

時間たっぷり。

自室でクラシック鑑賞でもと

思ったら優太は

変顔で拒否。

「優太ジージの部屋にいくか?」

 

喜んで部屋についてきました。

私のお気に入りのチェアーで

優太も一緒にクラシック鑑賞です。

優太と聴いた演奏です。

音楽鑑賞は楽しければ

それでよしがモットーでしたが

細部に拘って聴くべし

考えを変えてくれた

音楽家ニコラス・アーノンクール

この5日逝去しました。

昨年まで現役で、

ベートーヴェンチクルスを計画中だったのですが、

体調不良で引退宣言。

ほどなくの訃報でした。

 

今日のクラ与太は
G・F・ヘンデル オラトリオ「サウル」HWV53

1712年ロンドンに渡ったヘンデルは、イタリア・オペラで一世を風靡しました。しかしイタリア・ブームが下火になると、興行的に難しくなり、英語による劇的オラトリオに創作の中心をシフトしていきました。その端緒になったのが、旧約聖サムエル記に題材を取ったこの「サウル」です。1735年くらいに台本作家チャールズ・ジェネンズから提案され1738年作曲、翌1739年1月にロンドン、ヘイマーケット王立劇場で初演されています。オペラとオラトリオの違いは、題材が宗教的なものかどうかということ、後歌手が演技をするかどうかと言う点にあります。主役のサウルは、指導者サムエル師によって神に祝福された人として 油を注がれイスラエル王になります。しかし敵との対応などで神の命令に背いたため、神の過誤を得られなくなり、悪霊に悩まされ、精神的に不安定になります。巨人ゴリアトを倒してイスラエルの英雄となった羊飼いの少年ダビデに嫉妬し王座を奪われるのではと疑心暗鬼陥ります。サウルは難敵ペリシテ人とダビデを戦わせて戦死させようとしますが、彼はは難敵を打ち破りまたもや手柄を立てます。サウルの気持ちを落ち着ける為に竪琴を弾いてくれているダビデを自ら槍で突いて殺そうとしますが失敗、息子のヨナタンや家臣に命じてダビデを殺すように命じます。しかしサウルの乱心ぶりに愛想を尽かしたヨナタンはダビデの逃亡を助けます。怒ったサウルは息子まで殺害しようとして失敗します。気の休まることのなくペリシテ人との戦いにも苦戦したサウルは、神に禁止されていた降霊術の女を訪ね、既に無くなっていたサムエルの霊に身の振り方を尋ねます。答えは「明日、お前とお前の息子は死ぬだろう」。言葉通りペリシテ軍との戦いで、ギルボア山で戦死します。ベツレヘムに逃れていたダビデの元にユダヤ人の敵アマレク人がサウルの王冠と腕輪をもって現れ、サウルに頼まれトドメを指してきた事を告げます。ダビデは激怒して彼を殺し、サウルとヨナタンの死を悼み勇気を讃えます。大司祭はダビデをサウルが失ったものを取り戻す勇者と称します。ヘンデルはイタリアオペラで会得したドラマティックな表現をこのオラトリオにも存分に盛り込んでいます。特に合唱が効果的です。序曲に続く領主を讃える合唱、ラストのダビデを讃える合唱など聴き応えがあります。またサウルを弔う葬送行進曲は現在でも葬儀にも用いられるほどに親しまれています。ダイアナ妃の葬儀で使われていたのが印象に残っています。
私のチョイスはニコラス・アーノンクールとウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、サウルがフィッシャー=ディスカウでウィーンのムジークフェラインザールでの1995年4月28日のライブ録音。アーノンクールらしい拘りのある演奏です。賛否はありますが感動を覚える名演と言えます。葬送行進曲で彼の死を悼みたいと思います。

×

非ログインユーザーとして返信する