マルプー優太と時々クラシック

還暦過ぎてはじめて犬(♂マルプー2015年元日生まれ)と暮らしはじめました。大好きなクラシックの与太話も

優太「あれはなんだ?」 クラ与太 ベルグ ヴィオリン協奏曲 「ある天使の思い出に」

優太寝起きがよく
元気全開!
ベッドを引っ張り出しました。

取り上げようとすると
必死ベッドを抑えて
断固離しません。

と言うわけで
ストレス解消は
お散歩へ
近くの川岸を
パッシャッと音がして
優太固まってしまいました。
原因はこいつです。スマホ撮りです。

小さな小川にも
秋の頼り鮭があがってきたようです。
優太うちに帰ったら
元通り元気はつらつ
鼻の穴広げて
うまうま要求してます。

ウマウマもらって
舌ペロリンチョです。
やっと撮れました。

今日のクラ与太はヴィオリスト、ギドン・クレーメルが世界文化賞を受賞、彼のレパートリーの中でも最も私が気に入って曲をご紹介します。
アルバン・ベルグ 
 ヴァイオリン協奏曲番「ある天使の思い出に」

 音楽史上、シェーンベルグ、ウェーベルンと並んで新ウィーン楽派と称され20世紀初頭、ウィーンを中心に活躍し無調、十二音技法など現代音楽基礎を築いたアルバン・ベルグの(ほぼ)完成された最後の作品。彼の作品中、最も人気のある曲であり、クラオタにはヴィオリン協奏曲中の最高傑作とする人もいるほどの評価される作品。ウクライナ生まれのユダヤ人ヴィオリストでアメリカで活躍したルイス・クラスナーの委嘱により、ライフワーク化していた楽劇「ルル」の作曲を中断して1935年8月に作曲を開始、3ヶ月足らずでほぼ脱稿こぎ着けたが虫さされにより腫瘍が出来敗血症を併発し同年のクリスマスイヴに50歳の生涯を閉じることになった。この曲は師匠シェーンベルグとともに親交のあった作曲家グスツフ・マーラーの妻で、マーラーの死後建築家グロピウスと再婚したマルマ。その再婚あての間にもうけた娘マノンを大変可愛がっていました。その彼女が18歳の若さで急死したことを悼み作曲に取り組んだ曲で、「ある天使の思い出に」と言う献辞を自筆譜に付している。初演は死の翌年になってバルセロナで開催された現代音楽協議会の大会で行われています。
 この曲をクラシック音楽、特に20世紀の音楽に親しみのない人が予見なしに聴き始めると耳馴染みのない騒音かと思うような難しい「現代音楽」と感じられるかも知れません。しかしちょっと辛抱して聴き続けるとドラマティックで深遠で感動が心に襞に浸みていきを感じると思う。一つにはこの曲を十二音技法に基づきながらもあえてある調性を意識的に感じさせるように書かれている事が作用しています。曲は2楽章にから構成され、第1楽章は在りし日のマノンを顕しているとされている。アンダンテの序奏につづきてヴァイオリンのGDAEの開放弦のソロヴァイオリンが開始されます。初めから調性を印象づける手法であり、マノン清純さを表現していいる。無邪気なワルツ風旋律も聴きとれます。ベルグがマノンに出会ったオーストリアケルンテン州の素朴な民謡の旋律も顕れます。一方過酷な運命を暗示する不気味な影に支配されてもいます。第2楽章はインパクトの強い「アレグロ」で始まりマノンの死と昇天を描いています。カデンツァ風と呼ばれている前半は独奏ヴァイオリンが高度の技巧を要するパッセージで激しい音楽で闘病の厳しさを表現しています。小康を思わせる第1楽章のワルツ風旋律も垣間見られますが、死に神との厳しい戦いを思われる音楽が続きピークを極めると静かなコーラルが唱われます。これはヨハン・ルドルフ・アーレが作り、J.S.バッハがカンタータの60番の終楽章に使用して知られている旋律で、ベルグはバッハから引用している。実はこのコラールの旋律の最初が開放弦の旋律に基づいている。この開放弦の音によって曲は締めくくられます。マノンにとって、そしてはからずも作曲者にとっても「鎮魂の響き」の響きを聴くことになります。
今回のチョイス、ギドン・クレーメルのヴァイオリン、コリン・ディビス指揮バイエルン放送交響楽団1984年録音。世界文化賞を受賞したことで話題となったギドン・クレーメル。その受賞者を代表した謝辞で「自らの信じる価値に忠実であろうとして戦って参りました。」といますが、この演奏は将に彼の演奏活動の挙げるべきものだと感じています。
YouTubeはフランク・ペーター・ツィンマーマンのヴァイオリン、ダニエル・ガッティの指揮グスタフ・マーラー・青少年管弦楽団。2012年のロンドン・アルバートホールでのライヴ録音。ライヴらしい緊張感に溢れた演奏です。

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