マルプー優太と時々クラシック

還暦過ぎてはじめて犬(♂マルプー2015年元日生まれ)と暮らしはじめました。大好きなクラシックの与太話も

優太はくせ者?と くら与太 モーツァルト オーボエ協奏曲 ヘ長調

ある晩、優太は
そこに
怪しげな光が、
すわくせ者か?盗人か?

優太がじ~っとにらんで見守っていると
光はほどなく消えていきました。


翌朝、優太は私に報告しました。
「くせ者来た。被害はありまちた?」


「くせ者は優太見たら逃げってたでちよ。」
「それは優太、お役目ご苦労。」

「これでくせ者は、もう来ることはないだろうね。」

優太はドヤ顔です。
でも、実は被害があったのです、
冷蔵の中の
某プレミアム・ビールが空になっていたのでした。
下手人は優太に気づかれない手を考えつくのでしょうか?


今日のクラ与太は,
W.A.モーツァルト オーボエ協奏曲 ヘ長調 K.313a


モーツァルトのフルート四重奏曲を取り上げたときにもふれた、マンハイムの商人でフルート愛好家F.ドゥジャンによって注文されて1778年書いたフルート協奏曲ト長調K313。この曲を現代オーボエ奏者ハインツ・ホリガーがオーボエ用に編曲したものでK.313aとして表示されてることもあります。 モーツアルト自身は、ドンジャンに納品する際には、自身がオーボエ協奏曲として書いたハ長調K314をニ長調に一音上げて編曲しフルート協奏曲ニ長調して注文に応えたので、その例に見習ってホリガーは原曲ト長調をヘ長調として逆に一音低く編曲しています。通常、協奏曲で独奏楽器を変更する場合ホルンやクラリネットなどの移調楽器(この辺の詳細はググってください。)以外は音域がほぼ同じ楽器の場合そのままの調で演奏上問題となる部分だけを修正するのが常でオーボエ、フルート、ヴァイオリン間ではそのままが本則になります。
天才モーツァルトはそのままの調ではフルートの高音域を美しくするには低く、一音高くすることによりより魅力的に見える、注文主への配慮だったのかも知れませんね。ただ私には気になる点がひとつありました。モーツアルトはオーケストラ演奏上、各楽器の性能をフルに引き出すことに留意をしていてヴァイオリンの一番低いG線開放弦で弾くGの音の豊かな響きを有効に使っていたのに、一音上がったために引き締まった印象になっています。
で寄り道をしましたが、ここで本題のフルートからオーボエの逆バージョン。これが凄い軽やかな印象が一音下がることによって荘重かつ雄大、2楽章のアダージョ・ノン・トロッポなど耳をそば立てたくなります。今回聴いているのは、編曲者のハインツ・ホリガーがイギリスのアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールドと競演した演奏。オーボエで演奏することによってフルートよりも遙かに難しくなる速いパッセージなどもそのままの譜面で馥郁たる音質を保ったまま事も無げに吹ききっています。神業。この版の最大の欠点は超一流のオーボエ奏者にしか吹くことの出来ない難しさなのかも知れません。

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